高齢者向けの宅配弁当には、色々な種類があります。
■「高齢者には宅配弁当がおすすめ」とよく聞くけど、詳しくは知らない。
■親に宅配弁当を選んであげたいけど、どんな種類があるの?
こんな悩みはありませんか?
「高齢者」と言っても十人十色。
それぞれの生活スタイルがあります。
自分の親が、どんな暮らし・食事をしているのか、よく知る必要があります。
自宅で暮らす高齢の方で、宅配弁当を利用されている方も多くいらっしゃいます。
家で生活をする高齢の方から、こんな声を聞く機会が増えてきました。
宅配弁当を利用することで、
〇食事準備の面倒が減り、時間の確保ができる
〇栄養に気を使った食事をとれる
〇食事の時間を楽しみにできる
といった意見で、宅配弁当にはメリットがあると私は感じています。
〇住み慣れた家で食べ続けたい
〇親しい人と一緒に食べたい
〇病気やケガがあっても、自分らしくおいしいものを食べ続けたい
〇食事の時間が、一日の中で一番楽しみ
という親の望みを実現できることができます。
私は、親に「生活をする上で、食べる事に生きがいを感じてもらいたい。」
高齢の親が希望する宅配弁当と、
子どもがおすすめしたい宅配弁当のイメージに差が出ないよう、
お互いに「選んでよかった」と思えるような宅配弁当を
選ぶポイントをご紹介します。
この記事では、
子どもが「高齢の親に宅配弁当を勧めたい」と考えている時の、
選ぶ時のポイント9つを詳しくお伝えします。
確認しておく親の生活状態
そもそも「高齢者」って何歳から?
「高齢者」という定義は、文脈や制度ごとに対象が違い、はっきりと決められていません。
高齢者の用語は文脈や制度ごとに対象が異なり、一律の定義がない。
高齢者の定義と区分に関しては、
日本老年学会・日本老年医学会「高齢者に関する定義検討ワーキ ンググループ 報告書」(平成29年3月)において、近年の高齢者の心身の老化現象に関する種々のデータ の経年的変化を検討した結果、
特に65~74歳では心身の健康が保たれており、活発な社会活動が可能な人が大多数を占めていることや、
各種の意識調査で従来の65歳以上を高齢者とすることに否定的な意見が強くなっていることから、
75歳以上を高齢者の新たな定義とすることが提案されている。
高齢社会対策大綱においても、「65歳以上を一律に『高齢者』と見る一般的な傾向は、現状に照らせばもはや現実的なものではなくなりつつある。」とされている。
令和3年版 高齢社会白書
「75歳以上を高齢者とする」定義が提案されています。
60代では、仕事を続けているなど、活動的な人が多く、社会的で文化的な生活を送っています。
若々しく、元気な高齢者の方は多くいらっしゃいます。
暮らしている環境や家族構成によっておすすめの宅配弁当は異なる
「どの宅配弁当にしようかな?」と考える時に、親の暮らしを確認することが必要です。
子どもが「こんな宅配弁当がいいんじゃないかな?」と一方的に決めてしまうと、受け入れが難しいことがあります。
「食事」は誰でも自分の好みがあります。
特に高齢の親ですと、長年の習慣やこだわりが目立つ場合があります。
今の親の生活スタイルをよく確認し、
おすすめできる宅配弁当を選んでみましょう。
親はどんな家族構成で暮らしていますか?
〇1人暮らし
〇夫婦で2人暮らし
〇子どもと同居している
〇子どもと離れて暮らしている
〇親の近所に頼れる人がいる など
それ以外の条件もあるでしょう。
周囲の見守りの目が少なくなるほど、心配になります。
心配な事が増えるほど、親に必要な見守りや助けが増えてきます。
さらに、アクティブで元気な高齢親にも、おすすめできる宅配弁当はたくさんあります。
親の健康状態
〇心身ともに元気で活動的、仕事などもしていて、特に心配がない
〇持病や後遺症などがあり、親の生活を少し心配することがある
〇要介護状態である。介護度も大きくなってきている
〇塩分・糖質・たんぱく質など、栄養摂取制限がある
〇飲み込みやすい食形態が必要である
宅配弁当は、様々な高齢者に対応できます。
親と離れて暮らしている場合は、今の親の健康状態をしっかり分かっていない事も多いです。
〇買い物に行けるか
〇食事の用意がおっくうで食べないこともあるか
〇いつも同じメニューになっていないか
〇一人で食べていないか
〇食べる力が衰えていないか
親が希望する食事
毎日食べる食事だからこそ、親は自分の好みで、納得のいくものを食べたいという希望があります。
親の食事が気がかりになってくると、子どもは色々と親に指摘のようなことを言いたくなってきます。
■もっと栄養バランス考えた方がいいよ
■塩分控えた方がいいんじゃない?
■噛みにくかったら、やわらかいおかずにしてみたら
■同じおかずばっかり食べない方がいいよ
など。
心配する気持ちも分かりますが、親は自分の習慣、とくに食習慣をすぐに変えることは難しいことがあります。
親と同居していれば、おおよその生活スタイルや食事の事は分かります。
でも離れて暮らしていると、意外と親の食事の事を詳しく知らない事が多いです。
食事は、1日3回の事なので、食事の事を聞けば、親の一日の生活スタイルが分かりやすくなります。
宅配弁当を選ぶことで、
〇食事準備の面倒が減り、時間の確保ができる
〇栄養に気を使った食事をとれる
〇食事の時間を楽しみにできる
などのメリットがあり、生活に余裕やハリが生まれるでしょう。
自宅で暮らす高齢者に宅配弁当を「選ぶ時」に確認すること9つ
親の生活スタイルや、健康状態によって、冷凍弁当を選ぶ基準は多様になります。
多くの種類の宅配弁当がある中で、
親が、安心して継続できるための宅配弁当を選ぶポイントをご紹介します。
それぞれ見ていきましょう。
①宅配弁当のタイプ
保存方法の違い
■冷凍
■冷蔵 (常温で届いてすぐに食べたられる。冷蔵で保存する)
常温(冷蔵)で届く宅配弁当では、ふたが簡単に開けられるようになっています。
一方、冷凍で届く宅配弁当では、パッケージや包みがしっかりしていて、指先を動かしにくい方や、目が見えにくい方などは、開けにくい事もあります。
食事の内容(やわらかさや栄養調整など)の違い
親の健康状態・食事をとる時の注意点などを考えて、気を付けるべきは、「やわらかさ」や「栄養調整」などです。
安心して、無理なく続けていくためにも、食事の内容を十分確認しましょう。
■普通食
■制限食(栄養調整食などともいう)
■嚥下【えんげ】食(介護食、やわらか食などを含む)
普通食
形や固さ、味付けに制限がない、バライティーに富んだ内容です。
お好みで豊富なジャンル(和食、洋食、中華など)を選べます。
制限食(栄養調整食などともいう)
カロリー、糖質、塩分、たんぱく質などを、病気や体の状態に合わせて、コントロールするための内容です。
栄養調整が必要な方は、
医師・管理栄養士に相談して下さい。
嚥下(えんげ)食
加齢や病気で、噛む力や飲み込む力が弱くなった人のために、調理方法を工夫した食事です。
「噛む力や飲み込む力が弱くなる」という状態には、疾患(病気やケガ)によって、重症度(軽度~重度まで)があります。
親の嚥下の状態に合った食事の内容を決めることは大変重要なのですが、
親に合う食事内容が決まり、安全に食べられるまでには、試行錯誤がいります。
自分の住み慣れた家で、安全に食べる事ができるように、多くの医療専門職が関わって食事内容を考えています。
親の飲み込む力に合わせた宅配弁当を選ぶには、
医師・看護師・管理栄養士・言語聴覚士に相談して下さい。
ごはんとおかずの組み合わせ
・おかずだけのお弁当
・ごはんとおかずのお弁当
宅配‵弁当’といっても、ごはんが付いていない、おかずだけのものも多くあります。
制限食を必要としている方の場合は、
ごはんや汁物を一緒に食べた時の総栄養を確認しておきましょう。
②味の良さ
素材の味やだしを生かした調理で、「おいしい」と継続できる宅配弁当が多いです。
こだわりの製法や、国産の旬の素材を使用している宅配弁当は、味の良さはもちろん、見た目も楽しめます。
管理栄養士の監修により、栄養バランスに優れ、しかもおいしい宅配弁当。
好みはそれぞれあると思いますので、色々な種類の宅配弁当の味を試してみることをおすすめします。
慣れた家の味が一番落ち着くのは当然ですが、
宅配弁当が、毎日の食卓にアクセントをつけるような
楽しみの一つになることもあります。
③料金・送料
料金
料金は安い方が経済的で、続けやすくなります。
でも、価格の高さには、それだけの十分な理由があります。
栄養調整食では、カロリー、塩分、糖質、たんぱく質など、病気や体質によって細かい制限が必要です。
自宅では継続が難しく、手間になることがあります。
栄養調整食では、カロリー、塩分、糖質、たんぱく質など、病気や体質によって細かい制限が必要です。
自宅では継続が難しく、手間になることがあります。
飲み込みやすい食事にするには、さらに手を加えなければなりません。
- ・特別に柔らかくつくる、
・ミキサーにかけて、なめらかにのどを通るように成型する
・のどや口にくっつかないように、工夫する - など、親の状態に合わせて、かなり試行錯誤が必要になってきます。
管理栄養士や医師が監修し、配慮の必要な内容のお弁当が届くのであれば、
家で献立や作り方を考える手間や労力が省けます。
送料
お弁当の料金とは別に、親が住んでいる地域への送料がどのくらいかかるかを確認しましょう。
無料で届けてくれる会社もあります。
④配送エリア
希望の宅配弁当を届けてくれるエリアが、親が住んでいるエリアかどうかを確認しましょう。
■全国配送
■地域限定
常温で、すぐに食べられるお弁当では、配送エリアが限定されている場合があります。
⑤受け取り方、配達時間
お弁当を受け取るタイミングは、
■毎日
■定期的に(週1回、2週に1回など)
■届く頻度を選べる(利用したい時だけなど)
と会社によって異なります。
■ヤマト運輸などの宅配便で自宅に届く
■各宅配弁当の会社の配送で、自宅に届けてくれる
届く日時の指定ができる事もあるので、受け取れる時間を親と十分に話し合いをしておくと良いでしょう。
毎日届くことで、安否確認ができるサービスもあります。
しかし、毎日決まった時間に、家で受け取ることができない場合があります。
会社によっては、「宅配box」を貸してくれ、玄関先に設置しておけば、
宅配boxに入れておいてくれるサービスもあります。
⑥保管場所があるか
特に、「冷凍」でまとまって届く場合は、
冷凍庫の中に、保管しておける場所があるか確認しましょう。
お弁当箱のサイズによって、結構かさばり、十分な冷凍庫のスペースが必要なこともあります。
親と離れて暮らしている場合、中々冷凍庫の中を確認する機会がありません。
冷凍の宅配弁当を選ぶ時には、事前に確認しておきましょう。
⑦注文方法・支払い方法
注文方法
■インターネット(WEB)
■電話
■FAX
注文方法の手順を見て、
・親が、自分で注文ができるか
・子どもが代わりに注文するのか
を確認しておきましょう。
支払い方法
■クレジットカード
■代金引換
■銀行振込
など
親に負担のない支払い方法を選んでおきましょう。
⑧お試しできるか、お試しに料金がかかるか
どんな宅配弁当が親に合うか、
1度で決まらない事もあるでしょう。
どんな宅配弁当が親に合うか、初めて利用する時には分からない事も多いと思います。
お試しコースがあれば、ぜひ利用してみてください。
「お試しが無料」や、「定期コースより安く試せる」場合もあります。
⑨キャンセルや解約が簡単にできるか
一度試してみて、味や量、使い方が親に合うかを確かめてみましょう。
利用を希望しない時だけ、利用を中止できる宅配弁当もあります。
- ヘルパーさんが来ない日だけ利用する。
- ショートステイに行く日は利用しない。
- 入院になってしまったので、中止したい。 など
「キャンセル方法が分かりやすいか」も事前に調べておくとよいです。
宅配弁当の選び方まとめ
宅配弁当を選ぶ時のポイントは9つ
毎日の食事に、彩や楽しみを与えてくれる宅配弁当。
持病や食べる事への衰えがあっても、宅配弁当をかしこく利用することで、生活の質を保てるでしょう。
親の健康を見守り、生きがいを低下させないように。
親と話し合いながら、おいしい宅配弁当を選んでみて下さい。